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5月26日、法然院の演奏会がおかげ様で無事に終わりました。プログラムは当初の予定から少し変更になり、今の気持ちと平和への想いも込めたとても想い入れ深いものになりました。下り坂のお天気にも関わらず沢山の方がお集り下さり、ご遠方からわざわざ足を運んで下さった方々もあり、本当に有難いことでした。長年私の成長を温かく見守って来て下さったこの場所から活動再開になったことも意味深く感じられ、お世話になった皆様と、お越し下さった皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。そしてまた、一緒に真摯に音楽と向き合って来て下さった森本さんと、会場にはお越し頂いていませんが、陰で私を見守って下さっている沢山の方々にも…。
お父様と息子さんを立て続けに亡くされたという淡路島からのお客様が、終演後一番にお声がけ下さり、今日は導かれて来たような気がすると仰って下さったことも忘れられません。アンコールの前に 父のことや戦争のことや少し色々とお話をしたら、最後の歌詞のところで思わず涙が込み上げて来てしまったのですが、この曲に限らず、歌詞の一語一語を、これまでこんなにも深く感じられたことはなかったと思うと、歳をとることも悪くありませんね。
この後、6月1日には、兵庫県立芸術文化センターで「お伽噺」を演奏します。1曲だけではありますが、今回この作品をこの素晴らしいホールで演奏できることを、とても嬉しく思っています。この曲は、私の中で長い間イメージを温めていた後、思い切って初めて寺嶋先生に作曲を委嘱することになった記念すべき作品で、2017年の初演以来、何度も再演を重ねて来ました。昔、実家の庭に毎日必ず同じ時刻(だったのです!)に来て20分くらい素晴らしい声を聴かせてくれる鶯がいて、それを父が犬の風太と一緒にいつも息をひそめてじっと聴いていたのですが、この曲を演奏するたびにその姿を思い出します。大好きな新美南吉さんの詩の世界がすっと心に入ってくるような、本当に素敵な作品です。また森本さんのフルートの自然な表情の豊かさにも、是非ご注目頂きたいと思います。私達の出番は後半の最初です。
そして6月25日は、伊勢燦々ホールでの演奏会、プログラムは法然院さんが少し長くなるような感じかと思います。コロナで帰るに帰れなかった故郷での久しぶりの演奏会、ずっと楽しみにお待ち下さっていた方々がいることが何よりの励みで、初の2公演ですが 倒れずに完走出来るよう頑張ります。
いずれのコンサートも、お近くの方でお越し頂ける方あれば、是非
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